2006-01-01から1年間の記事一覧

007 カジノ・ロワイヤル

おまたがひゅっとします モノクロームのアバンタイトルで観客が目撃するのは、シリーズ恒例の派手で大仕掛けで能天気なアクションではない。 ざらついた心象風景のような画面が荒々しくフラッシュバックする、陰惨で無様で暴力的な初めての殺人。 しっとりと…

追悼、ケン・イシカワ

個人的には山田風太郎の原作以上に傑作だと思っている『魔界転生』。 『ゲッターロボ』『魔獣戦線』『5000光年の虎』『サザンクロス・キッド』。 もっとも真剣に漫画を読んでいた頃に、もっとも心を熱く燃えさせてくれた作品の数々。 本当にありがとう、石川…

訃報を知ったのは翌朝の学校へ向かうバスの中、知らない学生達の会話からだった。 観てさほど間もなかった『ブラック・レイン』での姿が鮮烈に焼き付いていて、それはどうにも信じ難い報せだった。その日に買った、クライマックス、黒のスーツ姿でバイクに跨…

エリ・エリ・レマ・サバクタニ

ノイズでみるみる難病が治る(かも) 視神経から受け取る視覚情報によって感染し、自殺を誘発する奇病「レミング病」が蔓延する近未来。唯一進行を妨げる手段は、2人の男が奏でる荒々しく凶暴なノイズ・ミュージックのみだった…。 シンプルなアイディア、シ…

インプリント 〜ぼっけえ、きょうてえ〜

地獄に送れ狂った血 明治と思われる頃。かつて将来を誓い合った女性を捜して日本を放浪するアメリカ人記者がいた。とある遊郭にたどり着いた彼は、彼女を知ると言う女郎に出会い、その悲惨な最期を伝えられるのだが…。 ホラー映画の巨匠たちが各話の演出を手…

時をかける少女

紺野真琴第一回主演作品 とにかくヒロインが素晴らしいのである。 細田守監督が言うところの「アホの子」(笑)である本作の主人公・紺野真琴は、全編に渡って時空間を駆けめぐる。あまり深く考えずに、とにかく全力で走る! 飛ぶ! 食べる! 泣く! 笑う! …

SPL 狼よ静かに死ね

香港黒社会を一手に仕切る、武闘派にして家庭派のボス。超法規特捜班を率いて組織に挑む、野獣刑事。2人の長きに渡る死闘は、第三の男の登場によって、一気に戦慄の結末へと向かう。 「バイオレンス・オペラの誕生」という公開時の素晴らしく仰々しい惹句に…

明日、DVD発売という事で、お蔵出し。

親切なクムジャさん

遺族対抗鬱合戦 謀略によって男児誘拐殺人の罪で投獄された、若く美しい女性、イ・クムジャ。13年の刑を終えて出所した彼女は、真犯人への復讐計画を遂行すべく、行動を開始する。 『復讐者に憐れみを』の陰々滅々とした復讐の連鎖。 『オールド・ボーイ』の…

香港国際警察 NEW POLICE STORY

僕のヒーロー 公開から一年、遂に(やっと)DVDで『香港国際警察 NEW POLICE STORY』を観た。 ジャンルを問わず、間を置かず、自発的に映画館に行くようになってからずっと、それなりに香港映画を追っかけてきたつもりだけど、いつの頃からか「ジャッキー・…

セルラー

組長先生のイメージで 突如、正体不明の集団に拉致監禁されてしまったヒロイン。必死の思いで壊れた電話の配線を繋いでみれば、かかった先は、お調子者の青年が持つ携帯電話だった…。 随所に携帯ならではの小技を効かせた、いかにもナチュラル・ボーン・B級…

大陸横断超特急

テレビ東京 午後のロードショー その昔、ゴールデンタイムの洋画劇場には、どの局でも最初と最後には必ず解説者が出てきたもんだった。 そんな黄金期にテレビで映画を観て育った世代には、吹き替えじゃないと観る気になれない映画ってやつが、何本もある。 …

ドラえもん のび太の恐竜2006

注意。ネタバレ多数。 驚異の予告編に度肝を抜かれ、前売り券を即ゲットしてから数ヶ月。ネットではオリジナルと比較して色々と賛否両論が飛び交っている様子の問題作?を、やっと観る事ができました。 いやもう、素直に良かったです。素晴らしい! ギニャー…

涼宮ハルヒの憂鬱

ライトノベルが原作のTVシリーズ第1話は、丸々「高校生が文化祭のために作った自主制作映画」の再現を試みた、大変な野心作だった。あえて「クソゲー」を狙って作られた「グルーヴ地獄V」「バイトヘル2000」の感覚に…近い? 拙い演技を子細に描写した作画…

ザ・ワン

ジェットはジェット最高!?(ギターウルフ調) 「善と悪のジェットが対決するんだぜっ!? ぐだぐだ文句言ってんじゃねーよっ!?」。そんな少年マガジニズムあふれる「!?」が飛び交う、逆ギレ感覚に満ちたハイパー・オモロアクション満載。並行世界の全ジェット…

ダニー・ザ・ドッグ

今日のわんこ 凶暴だけど、イノセント。例によってリュック・ベッソンが推定1時間で書き飛ばしたと思われる脚本の、毎度おなじみのモチーフが、ジェット・リーから新たな魅力を引き出す事に(だけ)成功している、奇跡の傑作。 子供の頃に極悪高利貸しに拾…

ジェット・リー 春の豪華二本立て

最新主演作『SPILIT』が公開中という事と 今さらですが、DVDを買ったので。

チャーリーズ・エンジェル フルスロットル

TVで久しぶりに観たけど、やっぱり素晴らしい。 徹底的に人工的なギラついた映像、ハチャメチャの限りを尽くしたアクションで、期間限定のガールズ・ライフが放つ狂騒的な輝きを描いた、唯一無二の傑作。 3人の三十路の女の子と、1人の四十路の元・女の子…

かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜

最終回。 正にムーンライダーズの「SWEET BITTER CANDY」。 30男が深夜にテレビの前で大泣きですよ。 とまりの健気さと、最後の最後に図らずも見せてしまった女の子らしさに、滂沱の涙ですよ。 波紋を巻き起こしそうな、あのラスト。 美しく終われない、みっ…

水の色 銀の月

前シリーズの『水と銀』、アニメ化もされた『恋風』と、一貫して「恋しいってのは、どういう事よ?」をテーマに描き続けている作家、吉田基已。 前回から実に約5ヶ月ぶり、待望のシリーズ第4話「ひまわりと画家の片思い」が、発売中のモーニングに掲載され…

森達也の「ドキュメンタリーは嘘をつく」

TV

ドキュメンタリーとは何かについてのドキュメンタリーを、そのメイキングを交えて描く、というややこしい構造を持った番組。メタ・ドキュメンタリーって感じですね。 言ってみれば森達也の「ドキュメンタリーもフィクションである」という主張の検証というか…

怪 〜ayakashi〜

『化猫』だけDVD買います。 もう走って買いに行きます。

幻魔大戦

りんたろうはナカグロ入りで レンタルが150円だったので、20年ぶりくらいに観てみました。 言わずと知れた平井和正原作、りんたろう監督による、角川アニメ第1弾。 両者のファンでもなかった僕が、公開当時、劇場に駆けつけたのは「大友克洋がアニメのキャ…

時代はKABUMEI

内藤くんのブログで「ポスト ガン=カタ」として紹介されていた 最新モードの格闘技。 素晴らしい。http://video.google.com/videoplay?docid=4680817823536270844&q=kabumei

ミュンヘン

世界の射殺から(爆殺まで) フィルムからにじみ出る70年代の空気と、実話ベースとはいえ、まんま『必殺仕掛人』のようなプロット(繰り返される食事と殺しの対比!)。『フレンチ・コネクション』『コンドル』といった黄金期の骨太かつ、いぶし銀のアクショ…

ブログはじめました

(関係者の間のみで)伝説のミニコミ「シネパカ」の残りカスのようなもの。 映像とか本とか音楽とかのレビューを中心に、おそるおそる見切り発車。